電力自由化の経過措置とは?

電力自由化経過措置

電力自由化、一般家庭の新電力への移行は?

「電力自由化」という文言が叫ばれてきてはいるものの、その移行や経過措置に関して、いったい今どんな経緯をたどってきているのでしょうか。

2011年3月11日におきた東日本大震災からこちら、日本の電力供給のしくみに関する問題点がさまざまな視点から浮き彫りになってきたことは記憶にまだ新しい方もいらっしゃるでしょう。

従来どおりの既存の電力会社に頼るばかりでは問題点は残存するだけです。

この問題を今後どうしていけばよいのかということで、多くの問題点をもとに、経済産業省の「資源エネルギー庁 総合資源エネルギー調査会 総合部会」において「電力システム改革専門委員会」という組織が設置されました。

新電力を一般家庭で使用できるようになるの?

一般住宅
「電力システム改革専門委員会」という組織においては、その後、2012年2月2日より2013年2月8日までの約一年間、合計12回にわたる会合がもたれてきています。

その中で日本の電力システムの改革をどうしていったらよいのかを議論されてきたのでした。

2013年2月15日、改革案としてようやくまとまったのが、「電力システム改革専門委員会報告書」というもので、これは一般にも公開されているものとなります。

この報告書の中では、送配電部門における中立性を確保する為、法的分離をすすめること、一般家庭などの小口需要に対して販売する「小売り」部門の参入を全面的に自由化すること、などが盛り込まれています。

この報告書の通りに今後、進むとすると、一般家庭で使用する電気も「新電力」からの供給も可能になっていくわけです。

さらに新電力の整備をすすめていくと?

「電力システム改革専門委員会報告書」の行程によれば、全面自由化にいたるまでには、3段階のステップを踏みつつ実行される計画となっています。

その3つの段階とはおおむね以下のようになっています。

「第一段階」では2015年を目途として、広域系統の運用機関を設立して、広域における受給計画を策定する、連携線や広域送電線の整備計画の策定をする、 受給と系統の広域的な運用や、受給がひっ迫した際の緊急時の受給の調整などを行っていくことなどを整備します。

また、新規制組織へ移行させ、送配電部門への規制とともに、卸・小売市場の取引における監視を行い、またルール作り、緊急時における供給の命令などの業務を行っていくこととしています。

弊害ってあるの?

「第二段階」では、2016年を目途に、小売の全面的な自由化を行っていくこと、一般家庭などの小口部門においても、電力会社を自由に選択できることや自由な料金設定を可能にしていくこと、が盛り込まれています。

但し、第三段階までに関しては、料金規制の経過措置期間を設けるとしています。

ほかに、卸電力市場の活性化をはかるため、卸規制を撤廃すること、供給力の確保のための新しい仕組みを創ること、供給力の確保や将来の供給力を取引する市場の構築、将来的な電源不足に備え電源の「入札制度」などを構築すること、などが盛り込まれています。

次の段階である「第三段階」では、2018年〜2020年を目途として、料金規制の撤廃という文言が見られます。

これは「経過措置」を終了するということになります。

また、供給力確保の義務については、本格的に実施していくこと、また、リアルタイム市場を構築するほか、送配電部門の法的分離をはかることが盛り込まれています。

この第三段階までは、料金規制の経過措置期間が設けられることになります。

安定的な供給は期待できる?

電力供給
もし、報告書通りに将来的に全面自由化になった場合、何か弊害は生じてこないのでしょうか。

全面自由化の弊害として考えられるのは、一般家庭などと新電力との契約の後、まだ参入してまもないことから、トラブルになったり、もしくは、電力会社の撤退・倒産によって電力供給が受けられなくなる事です。

このようなことが起こらないよう、仕組み作りが必要不可欠となります。

これらの問題回避策として考えられているのは、「最終保証サービス」というサービスを導入することです。

これは、何らかのトラブルや問題が発生しても、最終的には必ず電力供給が行われるような主体、ならびにその方法を定めるという措置をとるというものです。

日本全国どこでも電力自由化の恩恵を受けられる?

さらなる問題点をあえていうと、全面的に自由化になった場合、離島などにおいては電気料金が他の地域よりも高くなる可能性も指摘されます。

地域差を防ぐために、「ユニバーサルサービス」を設け、需要側全体の負担によって補てんしていく仕組みを構築して、離島などでの電気料金の高騰を防ぐ措置が考えられています。

いずれにしても、電力の全面自由化までの経過措置、そして制度が完成していくまでにはある程度の期間が必要ですが、全面自由化に向けて動き出していること自体は評価できることではないでしょうか。

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